ソフィア、最新プロセッサ対応のモバイル開発プラットフォーム発表
ソフィアシステムズは、マーベル製プロセッサ搭載のモバイル機器およびIP電話開発プラットフォーム「SandgateIII-P」を発表した。
ソフィアシステムズは9月18日、米Marvellの最新プロセッサ「PXA310」を搭載するWindows/Linux対応のモバイル情報機器やIP電話機の開発プラットフォーム「SandgateIII-P」を発表した。10月下旬から出荷を開始する。
Sandgateは、組み込み機器の開発に利用されるBSP(Board Support Package)やOSに加えて、ミドルウェアやドライバをセットにしたリファレンスキット。BSPを利用する一般的な評価手法に比べて製品実機に近い環境で評価を行うことができ、開発期間の短縮が可能になる。これまでIP電話機開発用の「Sandgate VoIP Phone」、ウィルコムのW-SIMに対応する「Sandgate W-SIM Phone」(関連記事)などが提供されている。
SandgateIII-Pは、最高動作周波数624MHzの米Marvell製プロセッサPXA310を搭載し、OSはWindows Embedded CE 6.0およびLinuxをサポートする。PXA310にはビデオアクセラレータが搭載され、SandgateIII-Pを利用することで、近年はモバイル環境でも利用の広がる動画像処理の伴ったハードウェア、ソフトウェアの開発・検証を効率的に行えるという。
また搭載メモリが1Gバイトに拡張されたほか、USB2.0ホスト機能や3軸加速度センサー、地磁気センサーを搭載する。オプションながらWVGA解像度のサポート、RGB外部出力、外部メディアにも対応する。SandgateIII-PとIC基板のエミュレータ「EJ-Debug」を組み合わせることで、オンチップでのデバッグが行える。
樫平扶会長は、「SandgateIII-Pは端末メーカーだけではなく、ソフトウェア、アプリケーションベンダーからモバイルビジネスを手掛ける企業、システムインテグレーター、研究機関に至るまで、幅広いユーザーにわずかなコストで効率的に開発・評価ができる環境を提供する」と話す。同氏によれば、通常は1年以上を要する携帯電話の開発期間がSandgateを利用することで半分以下に短縮できるという。
来賓のマイクロソフトモバイル&エンベデッドデバイス本部の梅田成二本部長は、「Windows Embedded CEは最近ではIPセットトップボックスやデジタルテレビ機器にも搭載されるなど、採用シーンが広がっている。アプリケーション開発にVisual Studio 2005を利用できるため、PCベースで大部分の開発が行える。また、大人数で短期間に開発してしまうことも可能だ」と話し、開発環境に柔軟に対応するWindows Embedded CEの特徴をアピールした。
マーベルジャパンの漆原秀樹ビジネスデベロップメントマネジャーは、「新型プロセッサ(PXA300番台シリーズ)は2006年秋の発表から全モデルとも量産体制に移行している。SandgateIII-Pは組み込み機器開発の1つのショーケースとして、数多くのメーカーやベンダー、サービスプロバイダーに支持されることを期待したい」と話した。
製品はSandgateIII-P本体とデバッグボード、ケーブル類、ACアダプタで構成され、販売価格は60万円となる。
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